2012年 10月 29日
UK肥満対策 |
2013年夏頃から、UKで統一された食品ラベルが導入されることになりました。
肥満の増加を抑えるための1案として、食品ラベルシステムの導入は10年ほど議論されてきたそうです。
しかしながら、一貫したシステム導入は難しく、結果的にそれぞれ違ったタイプの表示方法が取られ、消費者を混乱させることになっています。
ある小売店や製造者は「信号」ラベルを使っています。これはその食品1パックに入っている脂肪、糖分、ナトリウム・食塩の量が「高い」と赤色、「低い(ヘルシー)」と緑色、その中間はオレンジに色分けされているもので、こんな感じ。
他方ではGuideline Daily Amount(GDAー栄養分摂取目安))を表示。
GDAというのは、UK政府、食品業界、消費者団体が同意し98年より施行されている栄養分摂取目安で、健康な成人および子供を対象とした1日の摂取カロリー、脂肪、飽和脂肪、糖分、ナトリウム・食塩の量をあらわすもの。成人男性の摂取カロリーは1日2500カロリーとか、塩分は6gまでとか、そういうやつです。
あるメーカーのベークドビーンズの表示はこんな風になっています。
ものすごく見にくい・・・カロリーとキロジュールが併記されているのは、国(EUに輸出してるんでしょうね)によって使う単位が違うから、だそうです。
炭水化物の欄では糖分の割合を表示してありますが、メーカーによっては表示してないことがあります。
脂肪についても、ここでは大量摂取はよくないとされている飽和脂肪酸の内訳が表示されていますが、他の食品では、コレステロールを下げるとされる単不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪に分けて表示されていないことが多いです。
ナトリウムの表示しかなされていない場合(それがほとんど)は、2.5倍することで食塩の量がわかる。このベークドビーンズの場合、1/2缶に0.7gのナトリウムが含まれているので2.5倍すると1.75gの食塩が含まれていることになる。このメーカーはしっかりナトリウムと食塩の量を表示している、数少ない例だと思います。
でもね、ただでさえ暗算ができないUK国民が買い物のときにここまでするとはとても思えないんですよ。ナトリウム量しか表示しないのは、製造側がそれを隠したいから、という説もあるぐらい。
GDAはあくまでも「平均的」「健康的な体重」「適度な運動」をしている人が目安。何が平均で自分は比較するとどうなのか、ということまでわかりにくい。職業によっても性別・年齢によっても変わってくるのがネック。
食品によっては、上記両方を表示している場合もある。お買い物の最中にラベルを解読する時間なんて、そんなにない。わかりやすい表示が必要!
そこで、来年からはこの「信号」システムとGDAを組み合わせたものを食品のパッケージに表示することで、その食品に1日に必要な主な栄養分のうち、どれだけの脂肪、食塩、糖分、カロリーが含まれているかが一目でわかるようにするそうです。
こんな感じになるそうです。
これを見ると、このパッケージ半分に含まれている飽和脂肪酸の含有量が「高く」、1日の摂取目安の54%に値することがわかります。
例えばこの食品がラザニアだったとします。消費者が、このラザニアと、デザートにケーキを買いたい場合、そのケーキのラベルを見て、脂肪の量をチェックして、できればラベルが赤じゃないケーキを選ぶ、ということができます。さらにパック入りサラダを合わせて買う場合、含まれる脂肪分が赤じゃないものを選ぶ、という目安になります。
新システムによって、消費者がよりヘルシーな食品を選び、摂取カロリーをコントロールする助けになると厚生相は言っていますが・・・・。
予算上の都合で栄養分よりも価格優先の人もいるし、何より「どれを食べろ」とお上から指図されるのを嫌う人もいる。
こんな興味深い話もあります。
「信号」システムを導入してきたある大手スーパーマーケットによると、消費者からのフィードバックには、意外なものがカロリーが高かったり糖分が多かったりすることがわかって大変参考になった、というものが多かったそう。
例えば:
ザクロ、ブルーベリー&アカシアスムージー:171カロリー
缶入りコカコーラ:139カロリー
BIG MAC:490カロリー
生ハム & レンズ豆のサラダ:554カロリー
クリスピー&クリスピー オリジナル グレーズド ドーナッツ:200カロリー
グラノーラ ヨーグルト: 306カロリー
ね? ヘルシーな「イメージ」を持つ食品が必ずしもヘルシーではない、ってこと。
だからこの新システムが導入されたら、例えば同じようなヨーグルトを比較して、よりヘルシーな方を買う、ということができるようになるから、使いようによっては便利なシステムだと思いますよ。
だからと言って肥満人口がすぐに減るわけじゃないとは思うけど・・・日本に比べると「食育」が十分でないUKでは、歓迎される動きだと思います。
肥満の増加を抑えるための1案として、食品ラベルシステムの導入は10年ほど議論されてきたそうです。
しかしながら、一貫したシステム導入は難しく、結果的にそれぞれ違ったタイプの表示方法が取られ、消費者を混乱させることになっています。
ある小売店や製造者は「信号」ラベルを使っています。これはその食品1パックに入っている脂肪、糖分、ナトリウム・食塩の量が「高い」と赤色、「低い(ヘルシー)」と緑色、その中間はオレンジに色分けされているもので、こんな感じ。
他方ではGuideline Daily Amount(GDAー栄養分摂取目安))を表示。
GDAというのは、UK政府、食品業界、消費者団体が同意し98年より施行されている栄養分摂取目安で、健康な成人および子供を対象とした1日の摂取カロリー、脂肪、飽和脂肪、糖分、ナトリウム・食塩の量をあらわすもの。成人男性の摂取カロリーは1日2500カロリーとか、塩分は6gまでとか、そういうやつです。
あるメーカーのベークドビーンズの表示はこんな風になっています。
ものすごく見にくい・・・カロリーとキロジュールが併記されているのは、国(EUに輸出してるんでしょうね)によって使う単位が違うから、だそうです。
炭水化物の欄では糖分の割合を表示してありますが、メーカーによっては表示してないことがあります。
脂肪についても、ここでは大量摂取はよくないとされている飽和脂肪酸の内訳が表示されていますが、他の食品では、コレステロールを下げるとされる単不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪に分けて表示されていないことが多いです。
ナトリウムの表示しかなされていない場合(それがほとんど)は、2.5倍することで食塩の量がわかる。このベークドビーンズの場合、1/2缶に0.7gのナトリウムが含まれているので2.5倍すると1.75gの食塩が含まれていることになる。このメーカーはしっかりナトリウムと食塩の量を表示している、数少ない例だと思います。
でもね、ただでさえ暗算ができないUK国民が買い物のときにここまでするとはとても思えないんですよ。ナトリウム量しか表示しないのは、製造側がそれを隠したいから、という説もあるぐらい。
GDAはあくまでも「平均的」「健康的な体重」「適度な運動」をしている人が目安。何が平均で自分は比較するとどうなのか、ということまでわかりにくい。職業によっても性別・年齢によっても変わってくるのがネック。
食品によっては、上記両方を表示している場合もある。お買い物の最中にラベルを解読する時間なんて、そんなにない。わかりやすい表示が必要!
そこで、来年からはこの「信号」システムとGDAを組み合わせたものを食品のパッケージに表示することで、その食品に1日に必要な主な栄養分のうち、どれだけの脂肪、食塩、糖分、カロリーが含まれているかが一目でわかるようにするそうです。
こんな感じになるそうです。
これを見ると、このパッケージ半分に含まれている飽和脂肪酸の含有量が「高く」、1日の摂取目安の54%に値することがわかります。
例えばこの食品がラザニアだったとします。消費者が、このラザニアと、デザートにケーキを買いたい場合、そのケーキのラベルを見て、脂肪の量をチェックして、できればラベルが赤じゃないケーキを選ぶ、ということができます。さらにパック入りサラダを合わせて買う場合、含まれる脂肪分が赤じゃないものを選ぶ、という目安になります。
新システムによって、消費者がよりヘルシーな食品を選び、摂取カロリーをコントロールする助けになると厚生相は言っていますが・・・・。
予算上の都合で栄養分よりも価格優先の人もいるし、何より「どれを食べろ」とお上から指図されるのを嫌う人もいる。
こんな興味深い話もあります。
「信号」システムを導入してきたある大手スーパーマーケットによると、消費者からのフィードバックには、意外なものがカロリーが高かったり糖分が多かったりすることがわかって大変参考になった、というものが多かったそう。
例えば:
ザクロ、ブルーベリー&アカシアスムージー:171カロリー
缶入りコカコーラ:139カロリー
BIG MAC:490カロリー
生ハム & レンズ豆のサラダ:554カロリー
クリスピー&クリスピー オリジナル グレーズド ドーナッツ:200カロリー
グラノーラ ヨーグルト: 306カロリー
ね? ヘルシーな「イメージ」を持つ食品が必ずしもヘルシーではない、ってこと。
だからこの新システムが導入されたら、例えば同じようなヨーグルトを比較して、よりヘルシーな方を買う、ということができるようになるから、使いようによっては便利なシステムだと思いますよ。
だからと言って肥満人口がすぐに減るわけじゃないとは思うけど・・・日本に比べると「食育」が十分でないUKでは、歓迎される動きだと思います。
by sabasuki
| 2012-10-29 07:14
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